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  • 齋藤薫のボディコンシェルジュ
  • Vol.07

今ここで水着になって、と言われたら、 あなたはそれができますか?

Vol.07

今ここで水着になって、と言われたら、
あなたはそれができますか?

水着を着ることは簡単ではない。
それなりの準備と覚悟がいるから。

あなたは去年、水着を着ただろうか?そして今年、水着を着る予定はあるだろうか?コロナ禍もあって、しばらく水着を着ていないという人が少なくないはず。水着を着て、マスクをするってちょっと考えにくいから。
でもだから、できれば今年、新しい水着を買って欲しいのだ。なぜならば3年間水着を着ないと、一生着られなくなる……そんな説があるからだ。もちろんそれは、気持ちの上で着るのが怖くなるという意味。水着は、宿命的にそういうリスクをはらんでいるのだ。

水着を着るのは、女性にとって簡単なことではない。最もハードルの高い“服”。これまでもずっと、着るたびに勇気を絞り出さなければならなかったはず。仮に、プロポーションに自信があったとしても、勇気が要るのは変わらない。いや勇気だけではない、気持ちの上でも体に対しても、しっかりとした準備が必要なのだ。

たった今ここで水着になってくださいと言われたら、どうだろう。素直に従える人はいないのではないだろうか。1日待って、あるいは1週間待ってほしい。いえ、できれば1ヵ月待って。そう言いたくなるくらいの、物理的な準備が必要なはずだから。体型の隅々まで、肌の隅々にまで、神経を行きわたらせてからでないと、到底着れない。それが水着だからである。

そして、スポーツクラブでいつも泳いでいますと言う人にとっても、ビーチで、またプールサイドで着る水着は別物。ひと夏に何度水着を着たとしても、次の夏が来るまでの間のブランクは、非常に大きなもので、また1からの準備が必要になる。まさにその“水着ブランク”の間に、体が白紙に戻ってしまうからである。

3年間、水着を着ないでいると、
もう一生、水着を着られなくなる?

言うまでもなく、ブランクが長くなれば長くなるほど、重い準備が必要になってくる。ましてや夏が来るたびに年齢を重ねていくわけで、その水着ブランクは、そっくりエイジングを意味するからこそ、水着を着ない1年はよけいに長いのである。

それが、3年間水着を休んでいたとすれば、ちょっとやそっとの準備では済まない。とても間に合わないからと、水着を着ることを端から諦めてしまうのかもしれない。そして、もう二度と着れなくなるかもしれないのだ。だから、覚悟を決めて今年は着ないといけない。来年はもっと着られなくなるのだから。

でもなぜ3年なのか?単純に、2年より3年のブランクがより危険という話ではなく、人にとって3年間は、別の意味でのリスクをはらんでいる。当然のことながら、人間は少しずつ少しずつ歳をとるものだ、けれど、それが形の変化になって見た目に明らかになるのが、3年目であると言われるのだ。言い換えれば、フェーズが変わってしまうというか、次の段階に入ってしまうその前に、なんとか水着を着てほしいと思うのだ。

つまり、自分が水着を着ることを諦めてしまう前に、その歯止めとして水着を買って欲しい。たとえ、リゾートに行く予定がなくても、まずは買ってしまって欲しい。水着はともかく身に付けることが大切。自分の体を美しく見せる水着が必ずあるはずだから。それを今年なんとしても探して欲しい。逆に、そういう水着を見つけることができたら、じゃあ早速リゾートへと言う気持ちになるはずだから。

そう、水着を着ることは簡単ではない分だけ、体型が変わっていくことにブレーキをかけてくれる。これは本当に不思議なのだけれども、肌を露出し、人目に晒すこと、誰かが見るかもしれないこと、そういう意識が自然に体を引き締めてくれるのだ。ある意味の精神論に聞こえるかもしれないけれど、それは本当にサイズになって現れる。体重はほとんど変わらないのに、ビキニの水着を買うだけで、ウェストが引き締まったりするのである。

水着を着る、最速の準備として
補整下着を着けてほしい

そしてもう一つ、水着を着るための大切な準備として、日常的に補整下着をつけてほしい。体をどこも締め付けることなく、いつの間にか水着を着るための体へと形作ってくれる進化した下着。日々、あるべき場所に肉付きを移動させるように、形を整えていってくれるのだ。

そもそも、無理なく体型を整える補整下着をつけるのは、自己満足のためではない、やはりあくまでも最終目標は魅せる体を作るため。人から見られても、胸を張れる体を作るため。やがては積極的に人に見せたい体を作るため。そして今こそ、水着を着ることを直近のテーマとして欲しいのだ。

これこそ、精神論ではない具体的に魅せる体を作るためのトレーニング。早ければ数週間で手ごたえが得られるはず。だから今年の夏にも充分間に合う。決して遅くは無いからこそ、今日からでも始めて欲しいのだ。

ちなみにこの数年、水着の1つのトレンドとなっているのが“タンキニ”と言われるスタイル。これはタンクトップとビキニを組み合わせたもので、従来の水着より、露出を抑え、体型をカバーしてくれるものとして一躍主役に躍り出ているのだ。ビキニではあるけれど、トップスはいわゆるタンクトップのように丈が少し長め、ウェストをカバーしてくれるし、ボトムスも昔のようなハイレグではなくちょっとショートパンツのようにヒップもカバーできるようになっている。こうしたタンキニスタイルでも、デザインのかわいいものが一気に増えて、大人には嬉しい展開。しかも今、露出最大級の小さなビキニよりも、洗練度が高いという見方も。まずはこういうもので水着を着ることに慣れ、少しずつ露出を増やしていくような着方があっても良いかもしれない。

そんな背景もあって、大人が水着を早々と諦めてしまう時代はもう終わったと言われている。まもなく女性の半分が50代以上という時代がやってくる。大人がみんな水着を諦めてしまうなんて有り得ない。そうではなくて大人が全く躊躇なく水着を着る時代がいよいよやってきていると言うことなのだ。

だから今年、水着を休んでいた人は、必ず新しい水着を買って欲しい。一方で、補整下着を使って、着々と体の準備をしながら。

美容ジャーナリスト/エッセイスト 齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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