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  • 齋藤薫のボディコンシェルジュ
  • Vol.05

なぜこの数年で、フェムテックがこれほど注目されたのか?

Vol.05

なぜこの数年で、
フェムテックがこれほど注目されたのか?

欧米では常識。でもなぜ日本ではタブーだったのか?

ほんの5、6年前まで、デリケートゾーンのケアなど、考えてもみなかった。だから初めて“デリケートゾーンそのものをお手入れする美容”のレクチャーを受けたとき、なんだか気恥ずかしくてちょっと頬が赤くなったほど。
本当にそれくらい違和感があったデリケートゾーンケアが、今やもう当たり前のことになっている。逆に言えば、なぜ今まで放って置かれたのだろうと、不思議に思うほどなのだ。

欧米諸国では、とうの昔から常識だった。母親が娘に躾のひとつとして教えていくもの、学校でも、それはきちんと教えられている。ドラッグストアなどには昔から、デリケートゾーンケアのコーナーが当たり前に充実していたとも言う。

でも思えば日本では、長い間タブー視されてきた。それどころか母が幼い娘に「そこはばっちいから触っちゃいけません」と教育してきたほど。それは性意識の遅れが影響していたのだろう。デリケートゾーンケアが最も進んでいたのは、やはり自由な国フランス。
いずれにせよ、大人になっても触れることにすら抵抗を覚える人が、日本では多数派だったはずなのだ。

だから突然のようにデリケートゾーンケアを、と言われた時、ちょっとした衝撃を受けたもの。ところが、知れば知るほどそれは女性にとって不可欠なプログラムであることに気づかされる。

清潔にするだけではない、常在菌バランスも整えてあげること

もちろん清潔に保つことは、“誰も口にしないほどの常識”だった。
ただ専用のクレンジングを使うという発想そのものがなかったわけで、まずそこからして大きく認識を変えざるを得なかったのだ。

皮膚から異物が吸収される、いわゆる経皮吸収率から言えば、デリケートゾーンは腕の皮膚の40倍以上も高いと言われる。つまりそれくらい敏感であると言うこと。しかも、腟の中は自ら潤いを保ち、清潔にする“自浄作用”も備えているのに、年齢とともに分泌物が減ってくると、乾燥から本来の自浄作用が低下し、雑菌などを洗い流すことができなくなる。

また一方、そうした菌の侵入などを防ぐため、他の皮膚よりも酸性で、最適なpH値も他とは違う。異なる常在菌バランスを保っていて、そうしたことが、特別なデリケートゾーン専用ケアの必要性を思い知らせるのだ。

当然のこととして年齢とともに腟も老化していき、それが体全体の不調や衰えにもつながっていく。衰えも含めて多くのトラブルは乾燥からくるものと言えるので、ただ清潔に保つだけではダメ。保湿も不可欠だし、洗い出しすぎによって常在菌バランスを崩さないことも重要だ。

また乾燥に加えて、下着などの摩擦による黒ずみが目立ってくるのも問題。まさに知れば知るほど、やらなければ、今すぐ始めなければ、と言う気にさせられるのだ。

何かしなくては……そうした思いがフェムテックの時代をもたらした

実は、少し前のアンケートではデリケートゾーンをお手入れしていない人が9割以上、でもやらなければいけない、またはとても関心があると答えた人も9割以上。だからあっという間に情報が広まっていった。
そうした中で、従来のナプキンやタンポンによる乾きや安全性への不安などもにわかに語られ出し、いわゆる生理カップやナプキンを使わない吸水ショーツなども次々登場して、瞬く間にこの分野が充実を見せていくのである。

そうしたツールなども含め、このジャンルをフェムテック(フェミニン+テクノロジー)と呼ぶようになるわけだが、重要なテーマの一つとして改めて注目を浴びるようになったのが、アンダーヘアのVIO脱毛だった。

一説に、35歳以下の女性の約半数がアンダーヘアを全脱毛していると言われる。もちろん何らかの処理をしているだけなら、30代にとってはもう常識。しかし40代から上の世代になると、がぜん個人差が大きくなってくる。ただこうしたフェムテックヘの意識の高まりとともに、それは次第に1つのエチケットとなってくるのかも知れない。

例えば温泉のようなシチュエーションで、処理していないのが恥ずかしいと言う時代が来るのは間違いないのだ。さらに言えば、人生100年時代、いつかは誰かにサポートしてもらう可能性がないとは言えないわけで、高齢になればなるほど必要なケアとなってくるだろう。

自分の大切な部分を慈しむことで、生き方まで変わる

かくして、ほんの数年でタブーから常識へと、180度ひっくり返ったデリケートゾーンケア、そしてフェムテック。最初は恐る恐るでも、あっという間に習慣になり、もうやらなければ済まなくなる。

それは、女性としてやはりお手入れするのが当たり前という、本能にも似た意識があるからなのだろう。そしてこういうことが習慣になると、思いがけない意識の目覚めに気づくことになるのかも知れない。

ある意味、自分にとって1番大切なパーツ、丁寧に慈しむことにより、自分自身を愛せるようになれたという人が増えている。自分が女性であることを改めて自覚し、自分の中で女性性が覚醒するからではないだろうか。

もっとハッキリってしまえば、女性として何かとガサツになりがちだった人が、気がつけば何となくでも身のこなしが丁寧になっているようなこと、きっとあるはず。知らず知らず、物腰が柔らかくなっているようなことが、きっとあるはずなのだ。

本当の意味で、体の隅々まで美しく保つこと、そして整えること、その意味が初めてわかったと言う人もいるはず。おそらく、デリケートゾーンを美しく保つことにより心まで整い、そして体も内側から整っていく感覚があるのだろう。それはフェムテックの副産物。まさしく、女性としての本当の美しさを完成させるための、大切なプロセスなのである。

女性は子宮でモノを考える、そんな言い方がある。今まであまりピンと来ていなかったけれど、デリケートケアが習慣化したときに、それが自分の体として実感できたかも知れない。

自分の軸になる部分を、きちんと自覚を持って大切にする気持ち、それこそが子宮を1つの核にして生きているということなのではないだろうか。

美容ジャーナリスト/エッセイスト 齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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