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  • 齋藤薫のボディコンシェルジュ
  • Vol.11

恋をすると、痩せる……自分の中に眠る、 そういう不思議な力を信じてほしい。

Vol.11

恋をすると、痩せる……自分の中に眠る、
そういう不思議な力を信じてほしい。

「恋をするとキレイになる」疑いようのない1日

恋をしたら、みるみる痩せてきた……そういう経験はあるだろうか。

「恋をすると、キレイになる」は昔から常識の1つのように語られてきたこと。実際、急にキレイになった人に対して、周囲は口々に恋をしているのじゃない?と噂する。言うまでもなく、それは女性ホルモンの分泌が高まるせい。女性ホルモン、エストロゲンがまるでよく効く化粧品のように、たちまち肌にツヤを与え、滑らかにし、ハリをもたらしてくれるからに他ならない。

でもなぜ、恋をすると女性ホルモンの恩恵が一気に増すのだろう。
女性の体はとても神秘的、誰かに恋して、自らも愛されたいという思いが、女性ホルモンの分泌を高めるからで、これは男性も同じこと。恋をするとヒゲが濃くなるとも言われ、女性は女性らしく、男性は男性らしくという、ある意味での動物的な本能が姿形にまで力を及ぼすからなのだ。

美しくなることは、ある意味で“言葉のいらない求愛”な訳で、結ばれるためにこそ「恋愛ホルモン」が人を美しくする。それも素晴らしい地球の摂理の1つなのだろう。

「ときめきホルモン」の力で人は自然に痩せる?

ただ厳密に言えば、女性ホルモンの分泌を活性化させるのは、また別の恋愛ホルモン「PEA =フェニル・エチル・アミン」という体内物質。これは、恋愛初期のタイミングで突然活性化することから、「ときめきホルモン」とも呼ばれるもの。一説に、好きな人と初めて手が触れ合った時に最も強く活性化すると言われる。なんだかとてもロマンチックなホルモンだ。

実はこの「ときめきホルモン」、その一方で、体にとても不思議な作用をもたらしていた。それは、満腹中枢を刺激して、食べなくてもお腹が減らないという特殊な作用。つまり、自然に痩せる……。これはかつて私自身も経験したことで、ダイエットしたわけでもないのに、3、4キロアッという間に痩せていた。確かにお腹が空かなかった。いわゆる「胸がいっぱい」という状態によく似ている。胸がいっぱいだとお腹もいっぱいで、本当に満腹感が続くのである。

人間の体は本当によくできている。極めて知的に作られていると言ってもいい。なぜなら、自分は女性として今どういう姿に見えれば良いのかと言うことを、どこかで察知して、ホルモンの働きで知らず知らずなりたい姿に導かれていく、そう考えても良いからだ。排卵日に「顔立ちまでキレイに整って見える」と言われるのも同じ作用。

ただ残念なことに、この「ときめきホルモン」PEAの効果はそう長くは続かない。それこそ、ときめきが薄れてきた時に、同様に薄れてしまう。だから一般的に、せいぜい3ヶ月しか持たないリアルな恋愛ホルモンと言われているのだ。そういうことも含めて神秘的、そして極めて知的。

恋をしなくても、人に見られるだけで、自然に痩せる

恋をすると痩せる……ひょっとするとこれも、恋愛を成就させるために神様が与えてくれた不思議な力? そう考えて良いのかもしれない。自然治癒力もその一つだけれど、これは紛れもなく人間が持つ一つの能力。その力をもっと信じていいと思う。いや具体的に恋をしなくても、人に見られる緊張感と高揚感だけで、体が自然に引き締まって行くような不思議な力が働いていると考えていいと思うのだ。

例えば、女優やタレントの卵が、デビュー後メキメキと美しくなり、体も自然に引き締まって行くと言われるのも、そうした能力が勝手に働くから。他者の視線を浴びることそれ自体が、「ときめきホルモン」のような効果をもたらすからなのだ。

どちらにしても、そういう能力が働くなら、従来のダイエットのあり方は何か間違っているという気がしてならない。食べる量を減らすだけ。ジムに通うだけ。走るだけ……そういう一面的な方法がとても不自然に思えてくるのだ。なぜなら「自ら美しくなろうとする不思議な力」を無視した偏った方法は、無理がある上に、もったいない。あくまでも自分の力を信じ、それをサポートする形でのダイエットこそが正しいのではないかと思うから。

人目を意識し、見られることに喜びを感じたい

ただし家でジッとしていただけでは、そういう力は目覚めてこない。まず人目を意識すること。それこそ女優やタレントの卵のように、誰かに見られることが、見てもらうことが、体の中で眠っている特別な力を目覚めさせる事実に気づいて欲しいのだ。

そもそもが見られているという緊張感だけで、人は美しくなると言われるけれど、さらにアドバイスをもらうこと、褒めてもらうこと、そうした他者との関わりがキレイになるホルモンをさまざまに働かせ、内側からも体を引き締めてくれると考えていい。

さらに言うなら「自らを美しくする不思議な力」が、食事療法やインナーケア、補整下着といった様々なアプローチの効果をより高めてくれるはず。だから、美しいプロポーションを望むならば様々なアプローチをトータルに行うこと、その軸となるのが「自らの不思議な力」であると考えてみる。

とりわけ体を美しく整える補整下着で“自分がなりたい体”を作る時、イメージしているプロポーションをそのままに描くように、体が自然に整っていくと考えてみてはどうだろう。その時、補整下着は無理に体を締めつけずに、無理なくプロポーションのガイドラインを作ってくれるから、その形を擦るように体が自分で自分を整えていくといった驚きのメカニズムが働くのだ。

だからこそ、自分の潜在能力を信じてほしい。そして人に見られることに喜びを感じて、積極的に体を人目に触れさせること。そこで自然に引き出されてくるキレイになる力に身を委ねた時、まるで恋をした時のように、キレイになるホルモンが味方をしてくれるはず。それは素晴らしい美のスパイラル、自分の中でぜひそうした小さな奇跡を巻き起こして欲しいのだ。

美容ジャーナリスト/エッセイスト 齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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