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コラム

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  • 齋藤薫のボディコンシェルジュ
  • Vol.01

人はなぜ、“新しいことを始める時”に最も美しく輝くのか?

 

Vol.01

人はなぜ、“新しいことを始める時”に
最も美しく輝くのか?

ある年齢から、美しさの基準に新しい項目が加わってくる。それは、「幸せそうかどうか?」。 不思議なもので、どんなに美しくても、幸せそうでなければ、人は美しくは見えない。少しでも不幸せな印象が加わると、美人が美人に見えないのである。

これは若い頃には全くなかったベクトル。でも40代あたりから、生き生きとした光のようなものがないと、美しさにつながらない。幸せであることが、輝きの光源となるからこそ、幸せそうは、マストなのである。従って、“ある年齢”からは、痩せすぎていてはいけない。言うまでもなく、それだけで何となく不幸そうな気配を漂わせてしまうから。

逆に言うと、少しふくよかなくらいの方が幸せそうに見えたりするもの。けれどもそこには、決して譲れない条件がある。太ってしまった自分を諦めている時、柔らかな肉付きも不幸に見える。体を引き締めようと言う思いがあってこそ、ふくよかさも幸せに見えるのだ。人が最も幸せそうに見えるのは、美しくなっていく過程なのだから。

ちなみに、今まさに体重が増えているプロセスで人は不幸に見えるし、自分の体にたまった贅肉をどうにもできずに持て余している時も、やっぱり不幸に見える。でも逆に、たとえ体重がピークの状態にあっても、そこから脱却するベストな方法を見つけて、 いよいよこれからプロポーションを整えていこうと言う時、人はすでに生き生き見える。そういう時、紛れもなく希望に燃えて輝いて見えるし、文句なく幸せそうに見えるはずなのだ。

キレイを増やしている日々が、肌も表情もそして存在自体もキラめかせる、それが美容の正体だと言ってもいい。鏡を見るたび、目を覚ますたびに自分が美しくなっている時、昨日より今日、キレイが増えている時、人は必ずオーラを放つのだ。 ましてや、「キレイになったね」とか、「すっきり引き締まったね」と褒められた時の喜びは、また別格のもの。そういうふうに他者に褒められると、実は嬉しい時に生ま れる快楽ホルモンとも言うべき「ドーパミン」が脳内で分泌され、このホルモンがまた新たな意欲をもたらすという良循環が始まるのだ。

つまり褒められるほどに、再びその快感を得ようと、更に努力しようという強い気概が生まれ、結果が出てくれば、更なる快感が生まれ……という素晴らしい流れができあがる。褒められて伸びるのは、まさにこのドーパミンのおかげなのである。

だから大切なのは「始める」こと。自分の体を放っておかず、美しくなるために何かを始めること、その見えない効用について知って欲しい。いや、見えないけれど見えている、新しい挑戦を始めるポジティブな心が、体の周りにオーラのような輝きを生むのである。

そう、だから始めたばかりでも褒められる。まだ始めたばかりなのに、効果はまだ出ていないはずなのに、表情が輝いているから褒められる。褒められるからいきなり頑張れて、あっという間に結果が出る。そうしたスパイラルを自分の中に産んで欲しいのである。

若い頃に、幸せか不幸せかが美しさに影響しないのは、たとえ不幸せでも、それは経験不足からくる不可抗力。若さゆえに、その感情にさいなまれているに他ならない。でも人生を紡いできて、経験を重ねてきて、大人世代になってからは、どんな状況にあろうと、自分の心を幸せの方向に向けるコントロールができるはずなのだ。幸せかどうか、自分で決めることができるのが、大人。だから、幸せも美しさも同時に手に入れられる、そう言い切りたいのである。

美容ジャーナリスト/エッセイスト 齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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